理事長 田上 満則
管工事業界は、老朽化した水道インフラの更新や耐震化など、今後も管工事の需要が堅調に推移することが見込まれる一方で、高齢化や若手人材の不足、事業継承などの課題に直面しています。これらの課題に対し、持続可能な発展を目指すためには、業界全体での取組が求められています。このような中、令和6年度4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、長時間労働の是正や週休二日制の導入が求められており、これらの改革は、若手人材の確保や業界の魅力向上にも寄与すると期待されています。 令和6年度も全国的に自然災害が発生し、特に9月下旬の豪雨は、令和6年1月の地震により甚大な被害を受けた石川県能登地方に二重の被害をもたらしました。県内でも、8月末、台風第10号の影響により、宮崎市や新富町、門川町等で同時多発的に発生した複数の竜巻や突風により、人的被害のほか、住家室や農水産業施設等に甚大な被害が発生しました。 さらに、4月に大隅半島東方沖を震源とする最大震度5弱を観測する地震、8月と1月には日向灘を震源とする最大震度6弱と5弱を観測する地震が発生し、日向灘を震源とする地震では人的・物的被害の発生が報告されています。また、8月の日向灘を震源とする地震では、気象庁から南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表され、今後の地震への注意が呼びかけられました。 県発注工事は概ね順調に推移し、その多くを組合員が受注することができました。しかしながら、管工事業界では、ウクライナ情勢の悪化や急激な円安進行等に起因する資材価格の高騰が続いており、工事全体のコストの上昇や利益率の圧迫など、業績への影響が懸念される事態が続いています。 このような状況の中、県管連では、行政との連携を図り各種情報の伝達・収集の強化を図るため、昨年9月、営繕課との意見交換会や、建産連と建設業協会と合同で県土整備部と副知事を交えた意見交換会を開催する等、営繕課等との連携に努めました。また、教育情報事業として、認定訓練校「宮崎県管工事技術研修センター」において講習会を実施しているところです。 今後は、制度改正の迅速な情報収集や要望活動がこれまで以上に重要となることから、未加入同業者の加入呼びかけなど業界の組織強化拡大に取り組んでいかなければなりません。 更に、技能者訓練講習会や各種研修会の充実に努め、技術者のスキルアップを図り、技術者の地位の向上、業界の社会的、経済的地位の向上と発展に繋げていく必要があります。 本年度におきましても、組合員の積極的な受講をお願いするとともに、来年度以降の継続を目指して新たな講師の確保を模索しているところです。 また、経営環境の改善・合理化、受注機会の拡大のための要望活動にも継続して取り組んで参りたいと考えております。